こんにちは、防衛モニターを卒業した桐山です。今回から、私の防衛モニター活動の集大成となる記事を【記念行事・会食レポ編】【終了式編】【2年間の総まとめ編】の豪華3本立てでお届けします!まずは、熱気に満ちた記念行事の裏側からスタートです!
令和8年(2026年)4月5日、桜が咲き誇るなか挙行された習志野駐屯地創設75周年・第1空挺団創立68周年記念行事。本来なら、多くの人で賑わうはずだった習志野駐屯地ですが、残念ながら今回は一般開放が見送られました。招待者やOB、ご家族のみが見守る静謐な空気のなか、滞りなく終わった式典の様子をレポートしたいと思います。
本記事では、防衛モニターとして2年間、計3回の創立記念行事に立ち会ってきた私だからこそ捉えられた、第1空挺団の「いま」を、自身で撮影した写真・動画と共に紐解きます。
▼過去の活動記録はこちら。






- 防衛モニターの活動内容を知りたい方
- 習志野駐屯地や「第1空挺団」の記念行事に興味がある方
- 普段は聞けない自衛官のリアルな裏話(降下事情や日常)を知りたい方
この日、式典に先立って行われた『防衛モニター終了式』ついては後編でお届けするとして……まずは、静寂のなかに熱気が渦巻いた『創立記念行事』の裏側へご案内します!
静寂のなかに宿る「精鋭無比」のプライド


一般公開が見送られ、招待者のみが足を踏み入れることを許された駐屯地。 そこには、例年とは異なる、凛とした「静寂」が流れていました。
宙に浮いた違和感。幻となった「フルプログラム」
当日は雨の気配こそなかったものの、式典の進行は驚くほどスピーディーでした。観閲行進(徒歩・車両部隊)や格闘展示、らっぱ吹奏……それら一切が「なし」という、ある意味で非常にストイックなプログラムとなったのです。
後ほど会食の場で石原第1空挺団長が「あいにくの雨予報だった」ことに触れておられましたが、実際にこの進行が天候を考慮したものだったのか、あるいは訓練塔の修繕工事など他の要因によるものだったのか。その真意が公式に語られることはありませんでしたが、理由が明かされないからこそ際立つ現場の「決断力」に、ただ圧倒されるばかりでした。
静寂を切り裂く、第1空挺団長・石原由尊陸将補の「式辞」


そんな静かな会場に、ひときわ力強く響き渡ったのが第1空挺団長・石原陸将補の言葉です。
石原団長は訓示のなかで、「国民の平和な暮らしを守り抜く」という不変の決意を述べられました。全隊員に対し、「事に臨んでは危険を顧みず」と精神的結束を求めつつ、強い責任感を持って任務に邁進するよう激励する姿は、まさに空挺団のトップとしての覚悟が滲み出ていました。
『精鋭無比』は競技会でも。
圧倒的な強さと、地域を守る有事への備え


また、競技会の報告では、空挺団らしい圧倒的な強さが示されました。
- 柔道の部: 8連覇
- バスケットボールの部: 3連覇
日々の厳しい訓練が、こうしたスポーツの場でも「圧倒的な強さ」として現れているのだと実感します。
一方で、自衛隊の使命である災害派遣についても改めて触れられました。 担当区域である習志野市、八千代市、船橋市といった地域名を再確認する様子からは、地域住民の暮らしに寄り添い、有事に備える真摯な姿勢が伝わってきました。
金字塔の裏側。
累計降下80万回を支える「後方支援隊」の献身


式典のなかで改めて紹介され、私が息をのんだのが「累計降下80万回」という圧倒的な数字です。
この空前絶後の記録は、最前線で活躍する隊員さんだけの力では成し得ません。仲間の落下傘を一つひとつ寸分の狂いもなく整備し、安全を担保し続ける「後方支援隊」の、日々の地道で緻密な作業があってこその金字塔です。
80万回という輝かしい数字を支えているのは、表舞台には決して現れない隊員たちの矜持です。空挺の精鋭たちが迷いなく空へ飛び出せるのは、この「縁の下の力持ち」への絶対的な信頼があるからに他なりません。


【2027年完成予定】変わりゆく習志野のシンボル・訓練塔の現在


現在、駐屯地内では着々と新しい「訓練塔」の建設が進められています。
長年空挺団の象徴として親しまれてきた古い塔。そして、次世代の精鋭たちを育てるための新しい塔。 この新旧二つの塔が並び立つ、期間限定の「共演」を目にすることができるのは、おそらく来年の春になるでしょう。
歴史を刻んできた古い塔への敬意と、未来を担う新しい塔への期待。 その二つが重なる令和9年(2027年)の春が、今から待ち遠しくてなりません。
第1空挺団長兼駐屯地司令へ、精鋭たちの「敬礼」


石原第1空挺団長が乗り込み、ゆっくりと動き出す車両。それに呼応するように、整列した隊員たちが一斉に敬礼を捧げます。
試行錯誤の観覧席。最前列へ託された「期待」の重み
今回の行事で例年との変化を感じたのは、式典を見守る「席」の配置。特に、防衛・駐屯地モニター席の扱いです。
実はこの直前、2年間にわたる「防衛モニター」としての最後の任務——修了式を終えたばかりでした。
心地よい緊張感から解き放たれ、少しだけ肩の荷が下りた状態で眺める空挺団の姿。その精悍な勇姿がいつも以上に鮮明に、そして深く胸に迫ったのは、任務を全うしたという私自身の「区切り」があったからかもしれません。
(この数時間前の出来事については、後ほど【修了式編】で紐解きますね。)
- 2年前: 幹部の方々の数列後ろ(3列目付近)。
- 今年: 来賓席のすぐ隣、遮るもののない「最前列」。
会場中央に石原第1空挺団長をはじめとするVIP席、その左に感謝状を贈呈される方々、そしてその隣に私たちモニター席が用意されていました。
広報活動の重要性が高まり、モニターを『単なる見学者』ではなく、共に歩む『発信のパートナー』として自衛隊側が位置づけている。そんな組織の変化が現れているように感じてなりませんでした。
「同伴者席」のアップデートと、ある雨の日の記憶
さらに、モニター同伴者(1名)の席も大きく変わっていました。
以前までは、モニター席から少し離れた「屋根なし・自由席」の観覧席が指定されていました。 しかし今回は、モニターのすぐ真後ろ、「指定席」へと変更されていたのです。
実は昨年、私は用意していただいた招待者席を辞退し、自衛官の方に許可をいただいて屋根のない観覧席で過ごしました。 どんよりと重い曇天の空模様から、次第に強まる雨と風。 同伴者と同じ視線で、降りしきる雨のなか式典を拝見したあの日のことは、今も鮮明に覚えています。
そんな状況のなか、自衛官の方が「どうぞ」と使い捨てのレインコートを配布してくださるという、温かな配慮がありました。
今回の「真後ろへの配置」という変更は、そうした現場の声を丁寧に拾い上げ、試行錯誤を繰り返す自衛隊なりの、誠実な「回答」だったのかもしれません。
同伴者がお子さんの場合でも、すぐ近くであれば親御さんは安心して一緒に楽しむことができますね。
空挺団のリアルに迫る「記念会食」


式典を終えた後は、滅多に足を踏み入れることができない特別な空間、記念会食会場(体育館)へと移動します。
会食が始まる前、ふと目に飛び込んできたのは、鮮やかな青い法被を手に待機する隊員たちの姿でした。
青い法被が舞う。晴れやかな「鏡開き」と伝統の槌音
会食のハイライトは、やはり「鏡開き」。
先ほど準備されていた青い法被に身を包んだ石原団長と来賓の皆様が、「こうかー!!」という威勢の良い掛け声とともに木槌を振り下ろしました。
割れた樽から漂うお酒の香りと、会場全体に響く拍手。駐屯地が地域に愛されている証を、肌で感じた瞬間でした。
「最強」の看板を下ろした、隊員さんたちの素顔


各テーブルの両端に自衛官が1名ずつ配置されるのですが、隣に立たれていた方とお話させていただきました。
その会話が、想像以上に赤裸々で面白かったので一部をご紹介します!
驚きの連続!
空挺隊員のリアルな降下事情
降下のとき、五点着地(怪我を防ぐための受け身)は必ずするんですよね?
詳しいですね!はい、それをしないと怪我をします。
もし、そろそろ着地するってタイミングで、真下に岩などの障害物があるってかったらどうするんですか?13式空挺傘は操縦性がなかったような……。
祈るしかないですね。その瞬間だけクリスチャンになります。


神頼みするしかないなんて……!
平坦な場所じゃないから生傷が絶えないですよね。
着地点が西川のマットレスみたいだったらいいんですけどね。
大谷翔平選手のエアーSXみたいな(笑)。
普段の行いが大切だと思って、無事降下できるよう毎年お参りに行ってます。そのおかげか、今まで60数回降下して大きな怪我は一度もありません。
笑って話してくださいましたが、2年間の任期中、人事課長が松葉杖で登場されたり、広報担当の方が手術でお休みされたりと、本当に大きな怪我が隣り合わせの過酷な任務なんだなと実感しました。
モニターと自衛官
和やかな「異文化交流」のひととき
逆に、同席した自衛官の方から「防衛モニターって、具体的にどんなことをするんですか?2年間やってみてどうでした?」と興味津々に逆質問される場面も。
(活動内容を簡単に説明したあと)自衛隊ってすごく遠い存在だったんですけど、こうして交流してみて『同じ人間なんだな』って身近に感じました!
ハハハ!そりゃそうですよ!(笑)
ご家族も訓練を見る機会はありますよね?尊敬されているんじゃないですか?
うちは子どもがいるんですけど、降下訓練を見ても憧れるどころかぜーんぜん興味ないみたいで……。
あんなに屈強でカッコいい空挺団員なのに、お家では「子どもに振り向いてもらえないお父さん」というのが、なんだか親しみやすさを感じます。
体育館に響き渡る空挺太鼓


そして宴の最中、お腹の底まで響くような重低音が会場に響き渡ります。 隊員さんたちによる「空挺太鼓」の披露です。日々の厳しい訓練で鍛え上げられた筋肉から生み出されるリズムは、まさに「精鋭無比」そのものでした!
若手隊員たちの素顔と、オードブルの行方


お話させていただいた自衛官の方は人望が厚いようで、会食中も若い隊員さんたちがご挨拶にやって来ます。
そんな若手隊員さんたちが、私たちのテーブルに並んだお寿司や焼き鳥などのオードブルを見て、ポツリと一言。
やっぱり、我々のテーブルとは食べ物が違いますねぇ。
それを聞いた瞬間、私はいいから!どうかこの若い隊員さんたちに、お腹いっぱい美味しいものを食べさせてあげてー!!と心の中で叫んでしまいました。
ちなみに今回の会食では、SDGs(フードロス削減)の一環として「生もの以外は持ち帰り推奨」というアナウンスが。お持ち帰り用のパックまで用意してくださる細やかな気配りに、自衛隊の「進化」を感じました。
同じ駐屯地でも「別世界」。
謎に包まれた特殊作戦群という存在
さらに話題は、空挺団のエリート隊員について。
同じテーブルの女性の方が「空挺団はエリートですよね」とおっしゃると、「もっと言ってください!褒められて伸びるタイプなんです」と場を和ませる自衛官の方。
フリーフォール(自由降下)をする隊員はエリートです。『FF』のワッペンをつけているんですが……。(周囲を見渡して)この辺りにはいませんね。
エリートといえば、第1空挺団ではありませんが、習志野駐屯地を拠点としている『特殊作戦群』は……?
それこそ超エリートです。
我々も特殊作戦群についてはWikipediaでしか知る術がありません。
同じ駐屯地にいる自衛官ですら全貌を知らない部隊……!まるでフィクションの映画のような世界で、鳥肌が立ちました。
日常のありがたみと、記念の「枡」
ほかにも、自衛隊に興味があるという男子高校生に向かって、「睡眠を取れる、温かいご飯を食べられることがどれだけありがたいか、骨身に染みたよ」としみじみ語られる場面も。
極めつけは、記念品としていただいた第1空挺団のマークが入った「枡」についての会話です。
へぇ、空挺団のマークが入った枡がもらえるんですね。
家に7、8個あります。
1個で十分ですね。残りはキャンプのときとか、燃やして使ってください。
燃やしません!
2月の訓練で首を痛めたと言いつつも、「今が一番元気。みんなピカピカしてる。これから訓練で怪我が増えていく」と笑う隊員さん。
その明るさの裏にある、想像を絶するような厳しい訓練と強靭なメンタルに、ただただ圧倒される会食の時間でした。
万歳三唱の正しい(?)やり方
最後は全員で「万歳三唱」をして締めくくったのですが、お話を伺っていた自衛官の方からこんな裏話を教えていただきました。
手のひらを内側にするのが自衛隊式。降伏と間違われないための、現場の鉄則なんですよ。今度から万歳三唱のときはそうしてくださいね!


かかとを60度に開いて直立するのが正しい作法
まさか万歳のポーズにまで、そんなルールがあったとは驚きです! 最後の最後まで、自衛隊ならではの発見が尽きませんでした。
会場を後にする際、ふと入口付近から振り返った景色が、とても印象的でした。


写真に広がるのは、見渡す限りの迷彩服。実はこれ、会場の入口から奥へ向かって、モニターや来賓といった招待者の属性ごとにテーブルが整然と配置されているのです。圧倒的な数の自衛官が一堂に会するこの光景こそ、第1空挺団の層の厚さと組織力を物語っていますね。
まとめ:静寂に宿る規律と、弾けるような「個」の熱気
一般公開が見送られ、特別な静寂に包まれていた令和8年の習志野駐屯地。 そこで目撃したのは、日々国防の任務に励む精悍な隊員たちの姿と、その裏側にある地道な努力でした。一方で記念会食では、式典のストイックな表情からは想像もつかないほど、温かく人間味あふれる「素顔」に触れることができました。
実は、この祝賀行事の熱気に包まれる数時間前。 午前10時の駐屯地の一角では、私にとって2年間の集大成となる『防衛モニター終了式』がひっそりと執り行われていました。
第1空挺団長との記念撮影、そして、お世話になった元モニター担当の方へ伝えきれなかった感謝の気持ち——。
次回は、動の『行事レポ』から一転。感謝と惜別に包まれた、静かなる『終了式編(5月2日公開予定)』をお届けします。モニター志望の方にお伝えしたい裏話も満載ですので、ぜひあわせてお読みいただけたら嬉しいです。
令和9年度 防衛モニターの募集締切は8月31日です。
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