防衛モニターが、輸送ヘリコプターCH-47JA「チヌーク」に体験搭乗してみた

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日本唯一の落下傘部隊「第1空挺くうてい団」。武力侵攻や大規模災害などがあった際、航空機から隊員が降下したり、車両や火砲、弾薬、燃料、補給品等を投下したりする空挺作戦を担う部隊です。

6月某日、ヘリコプター 体験搭乗と意見交換会が開催され、筆者も参加しました。

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輸送ヘリコプターCH-47JA「チヌーク」

陸上自衛隊が保有しているCH-47「チヌーク」はJ型とJA型です。

CH-47JA
CH-47JA
機体
全長30.18m(胴体長15.88m)
全幅18.29m(胴体幅4.78m)
全高5.69m
座席数最大55席(通常37)
搭載重量約4.7トン(燃料満タン時)
エンジン
巡航速度250km/h
航続時間約4時間40分
航続距離約1,040㎞
燃料搭載量約7,800リットル
燃料消費率1,200~1,800ℓ/h(350ml/s)
エンジン出力4,900SHP×2

今回搭乗するJA型。
J型と比べると……。

・燃料タンクの大型化(航続距離の倍増)
・夜間暗視装置に対応
・気象レーダーの搭載
・航法装置の高精度化
・エンジン出力の強化
・自己防衛装置の追加

当日の流れ

習志野駐屯地にて受付
バスで習志野演習場まで移動
記念撮影
安全説明
プレートと耳栓を受け取り移動
CH-47JA「チヌーク」体験搭乗
バスで習志野駐屯地まで移動
休憩
意見交換会
周辺自治会長・モニター・副団長以下の隊員による懇親会(自由参加のため筆者は不参加)
解散

記念撮影

協力会の方々や周辺自治会長の方々など、たくさんの人で賑わっていました。

CH-47JA
CH-47JA

安全説明

パイロットは木更津駐屯地の隊員さん。

広報班長から説明があり、何かあった際に身元を確認するための首から下げられるプレートを貸与され、爆音から耳を守るための耳栓が配布されました。

安全説明

航路:船橋→市川→スカイツリー
回数:計4フライト(モニターは2番機に搭乗)
所要時間:1フライト約20分

いざ搭乗

田中2等陸佐

風圧がすごいので、なるべく前屈みの姿勢で進んだほうがいいです。

CH-47JA
CH-47JA

ヘリコプターに乗るのは生まれて初めて!

CH-47JA
CH-47JA

・2名の機内勤務員が同乗
・後方の隊員は着陸時、パイロットと連絡を取るための通信線を使い、地面の状況や地面までの距離などの情報を共有している

CH-47JA
CH-47JA

離着陸時以外はシートベルトを外し、機内を自由に歩き回ることができました。

CH-47JA

窓から見えた景色

CH-47JA
CH-47JA
CH-47JA
CH-47JA

着陸

CH-47JA
CH-47JA
CH-47JA
CH-47JA
CH-47JA
CH-47JA

意見交換会

習志野駐屯地に戻り、駐屯地講堂へ。

習志野駐屯地
習志野駐屯地

習志野駐屯地周辺自治会長1と、防衛・駐屯地モニターが参加。

自衛隊側から訓練スケジュールの説明や、演習場・官舎等の工事予定、駐屯地内へのヘリ離発着時の防風対策等の説明があった後、各自治会長がマイクで意見を述べ、その都度自衛官が答える形式でした。

一番多かったのか、やはり訓練による騒音。

ヘリの音がうるさくてかなわない。
訓練を減らしてほしい。

「引っ越せばいいのでは?」と思う方もいるかもしれませんが……。

先祖代々の土地で思い入れがあるため転居は考えていない。

近くに駐屯地・演習場があると承知の上で住んでいるが想像以上にうるさい。
簡単に引っ越しなんてできないぞ。

上記のような事情がある方々にとって、移転は現実的ではありません。

防音工事の助成はないのかな。

音に関しては鉄筋コンクリート造で建物を建てたり、防音シェルターを施工したりすれば解決しそうですが、金銭的な支援がない限りなかなか難しいでしょう。

話を聞いていると、ヘリコプター以外の騒音被害に悩んでいるという声も上がりました。

ヘリの音よりもカラスの鳴き声のほうがうるさくて気が狂いそう。

意外な意見でしたが、「全国各地で街の緑樹を伐採している結果、緑の多い習志野めがけてさまざまな鳥獣が集まっている」という田中2等陸佐の見解に思わず納得。

緑がある限り、解決するのは難しいかもしれません。

習志野演習場は広大でスペースに余裕があると見受けられた。

災害が起きた際、近隣住民の避難場所として使わせてもらえないか。

田中2等陸佐

機密情報のため公表していないが用途が決まっている。

ただ、ゾンビ映画のように未知のウイルスが流行り、住民の方々が逃げてきたらもちろん受け入れる。

そのような事態が起こらないことを祈ります。

今回決まったこと
・習志野駐屯地夏まつりで、自治会向けにスペースを提供する(装備品展示も用意可)
・隊員が落ち葉の掃き掃除をする(演習場周辺)

まとめ

ヘリコプター搭乗経験がなかったため緊張していましたが、大型ということもあり恐怖感は皆無で景色を楽しむ余裕もありました。

耳栓をしていたから、隣同士でなければ会話は難しかった。

同伴者のシートベルトについて、自衛官の方ともジェスチャーでやり取りをしたのですが、最初は私たちの意図が伝わらず、にこやかに手を振られるという場面も(笑)
無事その場で解決◎

意見交換会では、モニターは成り行きを見守るしかありませんでしたが、生の声を聴き、色々と思うところもありました。

なかには終始無礼な態度を取る方も。同じ土俵に上がらず冷静に対応された隊員の方々に頭が下がる思いでした。

11月ごろに予定されていた航空機体験搭乗は諸般の事情により中止に。

結果的に6月の体験搭乗が最初で最後となりましたが、貴重な体験をさせていただき、関係者の方々には感謝の気持ちでいっぱいです。

次回の意見交換会は12月。なるべく参加したいと思います。

脚注

  1. 習志野駐屯地周辺の自治会長は約60名おり、意見交換会へ参加するのは例年30名程度。 ↩︎

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