防衛大臣直轄の陸上総隊に属する日本唯一の落下傘部隊として、侵略や大規模震災など国家の危機に際しては、高い即応能力と機動力をもって落下傘等で降着し、身を挺してあらゆる任務を果たすことが求められている。
2024年6月8日(土)に「CH-47JA輸送ヘリコプター体験搭乗」および「意見交換会」が開催されました。
- CH-47JA輸送ヘリコプターについて知りたい
- 体験搭乗の感想が気になる
- 意見交換会でどんなことを話し合うのか知りたい
体験搭乗を控えている方や、防衛モニターに興味がある方は、ぜひチェックしてみてください。
大型輸送ヘリコプターCH-47JA「チヌーク」
アメリカのボーイング社によって開発された大型輸送ヘリコプター。
1986年に陸上自衛隊がCH-47Jを導入し、1995年から燃料タンク大型化等の改良が加えられたCH-47JAが導入され始めました。


今回搭乗するJA型。
J型と比べると……。
・燃料タンクの大型化(航続距離の倍増)
・夜間暗視装置に対応
・気象レーダーの搭載
・航法装置の高精度化
・エンジン出力の強化
・自己防衛装置の追加
車両や貨物を搭載しない場合、最大55名もの人員を空輸することが可能です。
災害派遣時や救助活動では多くの被災者を一度に運べるのも強みでしょう。
当日の流れ
同伴者1名の申請が可能。事前に「航空機体験搭乗承認申請書」へのサインと押印が必須です。
- 12:00~ 習志野駐屯地にて受付
- 12:45~ 習志野演習場へバスで移動
- 13:05~ 記念撮影・安全説明
- 13:40~ 体験搭乗
- 14:20~ 習志野駐屯地へバスで移動
- 14:35~ 休憩
- 14:50~ 概況説明・意見交換会
- 16:00~ 周辺自治会長・モニター・副団長以下の隊員による懇親会
記念撮影
機体の前は、自衛隊協力会の方々や周辺自治会長の方々など、たくさんの人で賑わっていました。
残り時間が5分を切ったところで、遠巻きに見ていた筆者も機体の前へ行き同伴者に写真を撮ってもらいました。




安全説明
モニターは2番機に搭乗するため、日陰にある林で待機した後、広報班員から概要や遵守事項の説明を受けました。


何かあった際に身元を確認するためのIDタグを首から下げ、爆音から耳を守るための耳栓を装着。
待機位置まで移動しました。
いざ搭乗



風圧がすごいので、なるべく前屈みの姿勢で進んだほうがいいです。




ローターから受ける強烈な風と爆音のエンジン音に非日常を感じながら、機体へ乗り込みました。


民間航空機と比べ騒音が大きく、隣同士でなければ会話は難しかったです。
降下の際にドアが開けば、口頭でコミュニケーションを図るのは不可能な状態になるため、意思疎通を取る手段として手信号が重要ということが容易に想像できます。
今回は2名の機内勤務員が同乗していました。
後方の方と、同伴者のシートベルトについてジェスチャーでやり取りをしたのですが、こちらの意図が伝わらず、にこやかに手を振られるという場面も(笑)。
ヘリコプターに乗ったのは生まれて初めてで不安だったのですが、おかげさまで緊張が解れました。




離陸するとき、ふわっとした浮遊感が。
ディズニーシーのアトラクション「タワー・オブ・テラー」が、下に落ちる直前のアレです。



離着陸時以外はシートベルトを外し、機内を自由に歩き回ることが可能。


揺れはあるものの想像以上に安定感があり、バーに捕まらずとも立っていることができました。
皆さん、窓のある場所に移動して景色を楽しまれていました。








着陸
着陸態勢に入る前に着席しシートベルトを着用。
後方に控えていた隊員が、着陸時パイロットと連絡を取るための通信線を使い、地面の状況や地面までの距離などの情報を共有していました。








高所恐怖症には務まらないお仕事です。
機体から身を乗り出し下を覗き込む様子にひやひやしていましたが、難なく遂行されていて尊敬の念を抱きました。


意見交換会


自衛隊のバスで習志野駐屯地に戻り、駐屯地講堂へ。


意見交換会には習志野駐屯地周辺自治会長1と、防衛・駐屯地モニターとその同伴者が参加しました。
自衛隊側から訓練スケジュールの説明や、演習場・官舎等の工事予定、駐屯地内へのヘリ離発着時の防風対策等の説明があった後、各自治会長がマイクで意見を述べ、その都度自衛官が答える形式。
モニターは成り行きを見守るしかありませんでしたが、生の声を聴き、色々と思うところもありました。
一番多かったのか、やはり訓練による騒音。



ヘリの音がうるさくてかなわない。
訓練を減らしてほしい。
「引っ越せばいいのでは?」と思う方もいるかもしれませんが……。



先祖代々の土地で思い入れがあるため転居は考えていない。



近くに駐屯地・演習場があると承知の上で住んでいるが想像以上にうるさい。
簡単に引っ越しなんてできないぞ。
上記のような事情がある方々にとって、移転は現実的ではありません。



防音工事の助成はないのかな。
音に関しては鉄筋コンクリート造で建物を建てたり、防音シェルターを施工したりすれば解決しそうですが、金銭的な支援がない限りなかなか難しいでしょう。
話を聞いていると、ヘリコプター以外の騒音被害に悩んでいるという声も上がりました。



ヘリの音よりもカラスの鳴き声のほうがうるさくて気が狂いそう。
意外な意見でしたが、「全国各地で街の緑樹を伐採している結果、緑の多い習志野めがけてさまざまな鳥獣が集まっている」という田中2等陸佐の見解に思わず納得。
緑がある限り、解決するのは難しいかもしれません。



習志野演習場は広大でスペースに余裕があると見受けられた。
災害が起きた際、近隣住民の避難場所として使わせてもらえないか。



機密情報のため公表していないが用途が決まっている。
ただ、ゾンビ映画のように未知のウイルスが流行り、住民の方々が逃げてきたらもちろん受け入れる。
そのような事態が起こらないことを祈ります。
- 習志野駐屯地夏まつりで、自治会向けにスペースを提供する(装備品展示も用意可)
- 隊員が、習志野演習場周辺の落ち葉の掃き掃除をする
意見交換会に初めて出席して驚いたのは、自衛官に対し終始無礼な態度を取る発言者の存在です。
同じ土俵に上がらず冷静に対応された隊員の方々に頭が下がる思いでした。
終了後、ほとんどの方が懇親会会場へ移動を始める中、帰路につこうと出口へ進むと、モニター担当の方から呼び止められました。
我々が体験搭乗を楽しめたのかが気になり、声をかけてくれたそうです。
また、4月の記念会食の件について、同伴者にも謝罪をしてくださいました。
まとめ
この記事では、ヘリコプター体験搭乗と意見交換会について紹介しました。
- CH-47JA「チヌーク」は、アメリカのボーイング社によって開発された大型輸送ヘリコプター
- 飛行中、揺れはあまり感じず、景色を楽しむ余裕があった
- 意見交換会では、ヘリコプターによる騒音問題、習志野演習場周辺の落ち葉の問題などについて話し合いが行われた



11月ごろに予定されていたヘリコプター体験搭乗は、諸般の事情により中止に。
結果的に6月の体験搭乗が最初で最後となりましたが、貴重な体験をさせていただき、関係者の方々には感謝の気持ちでいっぱいです。
次回の意見交換会は12月。なるべく参加したいと思います。
最後までお読みいただきありがとうございました。
脚注
- 習志野駐屯地周辺の自治会長は約60名おり、意見交換会へ参加するのは例年30名程度。 ↩︎

