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日本唯一の落下傘部隊「第1空挺団」。武力侵攻や大規模災害などがあった際、航空機から隊員が降下したり、車両や火砲、弾薬、燃料、補給品等を投下したりする空挺作戦を担う部隊です。
落下傘整備工場の見学後、空挺基本訓練場に伺うことに。
ちょうど降下長課程が実施されています。
降下長課程
空挺隊員になると、任務遂行に必要な知識や技能を修得するべく、さまざまな教育を受け、さらなる精強化をめざします。
その教育の一つが降下長課程です。
降下長は、「降下員および投下員の降投下前訓練」「搭乗準備・空中機動間および降投下における指揮・監督」に関して責任を取ります。
※降投下訓練における全ての長は降下指揮官
基本降下課程を修了した後、陸曹以上は降下長課程にほぼ全員入校します。
教育期間は約6週間。降下の準備から降下および重物料梱包から投下までの指揮・監督ができるようになるよう練成するのだとか。
各種認定試験があり、合格しなければ降下長になれません。
機種毎の副降下長(降下長の補佐)を経験した後、降下長に就くことができます。
空挺基本訓練場
習志野駐屯地の一角に、降下技能を修得する施設「空挺基本訓練場」があります。
1階には、模擬扉訓練場と懸吊着地訓練台
2階には、操縦訓練場、基本着地訓練場、走行着地訓練場があります。
模擬扉訓練場
模擬扉訓練場に設置されている「C-2輸送機」「多扉」「C-130輸送機」のモックアップ訓練台を使い、降下する訓練を行います。
降下長課程では、教官や助教がそれぞれに配置し、降下長の機内動作について訓練を行っていました。
途中、教官が説明をしてくださり、ありがたかったです。
操縦訓練場
操縦訓練
配当時間 12時間
実施回数 約30回
落下傘の操縦方法を訓練する場所です。操縦訓練に使用している落下傘は13式空挺傘とのこと。
基本着地訓練場
基本着地訓練
配当時間 8時間
実施回数 約140回
着地の動作を身に付ける訓練を行う場所です。
風の強さによって異なりますが、無風の場合でも高さ1.5m地点から飛び降りるようなもの。風速10mともなると、約7m、例えるなら建物の2階屋根最上部・3階から飛び降りるほどの衝撃になるのだとか。
総重量約60㎏の重装備で降下するため、きちんとした姿勢を取れていなければ、着地の衝撃で骨折することも。大怪我を防ぐため、転がりながら衝撃を体の各部位に分散させる着地技術5接地転回着地を身体に叩き込みます。
両足裏→すねの外側→腿の外側→臀部→肩甲下部の順に接地させます。
広報班の方が実演してくださいました。
柔道の受け身みたい。
走行着地訓練場
走行着地訓練
配当時間 4時間
実施回数 約20回
基本着地訓練場内にあります。ロープと滑車を使用し、強風を想定した着地訓練を行います。
感想
モニター研修・部隊見学当日に空挺基本訓練場を見学すると知りました。降下長課程を実際に拝見し、鳴り響くベルの音、訓練を受ける隊員たちの真剣な面差しと緊張感のある空気に、こちらの背筋も伸びました。